■■■□□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━       生涯学習e-News@富山大学 Vol.12 2007.12. ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□□■■■ 富山大学生涯学習メールマガジン、年末のお便りをお届けします。 2007年も残りあとわずかとなりました。先週いっぱいにて、富 山大学の公開講座・オープン・クラス(公開授業)は、いわゆる 「冬季休業」に入りました。来月の業務は1月4日からの開始と なります。 まだ本格的な降雪には早いですが、今後かなり寒くなってまいり ますので、ご自愛下さい。 さて、今回は、今年度実施された講座の中で比較的ユニークな講 座についてご紹介いたします。一つは「飲み物」についての知識 ・技術を深める講座、もう一つは富山の「米騒動」についての講 座です。 ┏━┓ ┃1┃世界の飲み物文化よもやま話[11/8〜11/29] ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ タイトルの通り、飲み物にまつわる「いろいろな」事柄を学ぶ講座 です。 「飲み物」は、言うまでもなく生活に最も不可欠なものであり、身 近なものです。しかし単なる「水分補給・生命維持」ということに つきない、「食文化」の一大ジャンルをなしているのが「飲み物文 化」といえます。我々の口にする「飲み物」は、普段意識すること はなくても、世界各地で長い年月をかけて洗練されてきたものも少 なくありません。コーヒー、紅茶、ココア、そして様々なアルコー ル飲料・・・「いろいろ」あることはここにあげるまでもないでし ょう。 この講座の組み立ては、飲み物に関する世界史的な視野に基づいた 「学習」とともに、テーマを意識したカクテル制作という「実習」 の二本柱からなります。最終日、先生とともにカウンターに並びな がら、「グレート立山」なるテーマでのカクテル作り(事前にどう いうカクテルにするか考える、という宿題あり)に挑戦しました。 1人2つずつ作り、1つは試飲・評価用、もう一つは自分で出来映 えを楽しむものにしました。特に試飲のときは、お互いのカクテル について「おいしい」「きれい」などのコメントが盛んになされて いた風景が印象に残りました。 [以下は本講座を受講された方の感想です...] 「とても興味深いお話で、あっ!という間に時間が過ぎました。 水など身近な飲み物の新たな知られざる一面、いつも(?)飲ん でいるカクテルの根源の意味や由来、歴史がわかり、とてもこれ からの日常が奥深くなりそうです。最終日はいろいろな方の立山 のイメージを知ることができ、"そうそう、そんな立山がある!" とうなずきながら楽しんでカクテルづくりができました。わが富 山の魅力改めて感じました。」 「カクテルは大好きですが、ちゃんと勉強していないので、今回 はベースとかカクテルの種類とかとても勉強になりました。たぶ んこれからバーなどへ行ったら少しは注文するときにどんなお酒 か想像できるようになると思います。」 「回数が3回と、とても短く感じました。あと数回あればよかっ たと思います。」 「楽しかったです。オリジナル・カクテルをつくったのをきっか けにこれからもいろいろなカクテルを自分で試してみたくなりま した。受講者の皆さんのアイデアと"グレート立山"のイメージに 感動しました!」 「なかなかカクテルバーなどに来るチャンスはありませんので、 非日常の時間を楽しむことができ、うれしく思っています。」 ┏━┓ ┃2┃「米騒動」の再考とくらしの中の近代化[10/30〜12/11] ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ いわゆる「大正デモクラシー」は、日本社会における「近代化」の 重要局面です。そして富山で最初におこったとされる「米騒動」は、 これまた民衆デモクラシーのあらわれとして、非常に重要な歴史的 事件として知られています。米価の高騰による生活困難、それに対 する反発、全国への飛び火、鎮圧・・・「近代富山」を生きた人び との生き様をうかがい知る局面であるとともに、日本史上の画期を もなす事件でもあります。大正7年、今から90年も昔の出来事では ありますが、長期不況や格差の問題が取りざたされる現代社会を理 解する上でも興味深い歴史的事実といえるのではないでしょうか。 いくつか概略的にご紹介しますと・・・ ・教科書などでは、「米騒動の発端の地は魚津」と紹介されている が、聞き取り調査などの結果からは富山市東水橋で最も早い「騒動」 がみられたのではないか、と推測される事実がある。 ・当時、お米自体は豊作だったが、「シベリア出兵」が決まったた めに米価が急騰、漁師の奥さんたちが「お米を船にたくさん積み出 すから値段がつり上がるんだ」と理解して「積み出し」を阻止しよ うとする場面もみられた。米価の高騰は著しく、当時の低所得者層 の賃金では一日に必要なお米の購入も難しいところまで追い詰めら れていた。 ・県内の新聞記者が全国新聞に記事を寄せた結果、全国各地に「騒 動」が飛び火し、様々な政治制度改革に大発展していった・・・ 本講座のタイトルに「再考」という文字がありますように、いわゆ る「教科書」的な歴史的知識をさらに深化・探求させる機会となっ たことかと思われます。夜間、しかも2時間の講義時間では「不足」 を感じるほどに熱心な受講風景もみられました。また、米騒動の地 を実際に見学しようと、魚津を訪ねる講習もあり、大変有意義な講 座となりました。 [以下は本講座を受講された方の感想です...] 「米騒動について、いかに知らなかったかを知った講座でした。 深い!ですね。とにかく期待以上でした」 「米騒動は特に関心があり、わからないとろが少しわかったような 気がします。発祥の地は魚津とばかり思っておりましたが実際は水 橋との説もあることを知りました」 「受講してホントによかったと思います。風雨の中での魚津散策も 勉強になりました。」 「多くの資料を集め整理された努力にもびっくりしました。よい勉 強をさせてもらいました。」 「深く掘り下げた点、また生々しいお話が聞けて勉強になりました。」 *** 今年最後のメールマガジンとなりました。次号では、来年度に実施予 定の講座をご紹介したいと思います。 では、よい年をお迎え下さい。 ■■■□□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 富山大学生涯学習教育研究センター http://www.life.u-toyama.ac.jp/ TEL:076-445-6956 FAX:076-445-6960 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□□■■■ ※配信停止をご希望される方は、このメールに返信してその旨ご連絡下 さい。