過去のまちなかセミナー2012年度

※このセミナーは終了しています

2003年度より、北陸地区の国立大学が連携して、富山・石川・福井の各県にて「まちなかセミナー」を実施しています。各県の会場にて、他県所在の国立大学教員を招聘し、幅広く多彩な学術内容の普及につとめます。

2012年度まちなかセミナー富山会場では、

「放射線を知るー正しく恐れ、賢く使うために」

というテーマを予定しております。詳細については、PDF書類または下記講演内容をご覧下さい。まちなかセミナー富山会場は入場無料、事前申込不要でどなたでもご参加いただけます。参加ご希望の方はセミナー当日、直接会場の受付までお越しください。どうぞお気軽にご参加ください。

日時と場所

■日時:2012年10月20日(土)14:00~16:30
■場所:富山駅前 CiCビル3F学習室

講師と題目・概要

松本 英樹 先生(福井大学 高エネルギー医学研究センター 准教授)

演題
「低線量被ばくを考えるー福島第一原発事故を受けてー」

講演要旨:
現在,放射線および放射能なくして医療は成り立たなくなってきています。また人類の生活エネルギーとして原子力エネルギーが利用され始め,地球温暖化問題によりその利用が見直されて きていた矢先,昨年3月11日,東日本大地震が起き,そして福島第一原子力発電所の事故が発生しました。今回のセミナーでは,日本の現状に鑑み,低線量放射線に対する細胞の応答のしくみを概説し,また福島および近隣県での教育セミナー活動の経験を紹介します。

絹谷 清剛 先生(金沢大学 医薬保健研究域医学系 教授)

演題
「福島第一原発事故ー健康被害は起こるの?」

講演要旨:
2011年3月に発生した福島第一原発事故による放射性物質漏洩は、国民の皆さんの放射線に対する懸念を惹起しました。放射線管理の世界では、防護の観点から可能な限り被ばく少なくすることを前提にして厳しい法規制が行われています。一般の方々がごくわずかの放射線も危険であると誤解されるのは、放射線管理がこのような厳しさを持って行われているからでしょう。生きる上で、正しい理解がすべてのことに必要です。放射線の理解もそれのひとつです。

コーディネータ:近藤 隆 先生(富山大学大学院医学薬学研究部 教授)

講演要旨:
昨年の福島での原子力発電所の事故以来、放射線に関する国民の関心は高いと思われます。今まで、放射線に関する教育が十分されていないこともあり、多くの国民にとって、放射線のイメージは決して良いものではありません。一方、医療の面では、放射線は診断および治療の両面で多用され、特にがん治療のための放射線治療の発展には大きな期待があります。今回のまちなかセミナーは、基礎医学および臨床医学の両方の立場から話題提供をいただく機会としました。放射線に関する正しい認識を持つための一助となれば幸いです。