過去のまちなかセミナー2011年度

※このセミナーは終了しています

2003年度より、北陸地区の国立大学が連携して、富山・石川・福井の各県にて「まちなかセミナー」を実施しています。各県の会場にて、他県所在の国立大学教員を招聘し、幅広く多彩な学術内容の普及につとめます。

2011年度まちなかセミナー富山会場では、

「北陸の美術」

というテーマを予定しております。詳細については、PDF書類または下記講演内容をご覧下さい。まちなかセミナー富山会場は入場無料、事前申込不要でどなたでもご参加いただけます。参加ご希望の方はセミナー当日、直接会場の受付までお越しください。どうぞお気軽にご参加ください。

日時と場所

■日時:2011年10月8日(土)14:00~16:30
■場所:富山駅前 CiCビル3F学習室

講師と題目・概要

佐々木 花江 先生(金沢大学埋蔵文化財調査センター・准教授)

演題
「再興九谷焼の生産と流通」

講演要旨:
19世紀初めに加賀藩が殖産興業として金沢で興し、今日まで生産の続けられている石川の焼き物を再興九谷焼と呼ぶ。17世紀半ばの古九谷に比べると知名度が低いが、明治時代の国際博覧会で日本を代表する焼き物の一つとして紹介され、外国で大好評を博した。禁煙、窯跡や消費地での考古学調査がすすみ、その実態がより明らかになってきた。再興九谷焼とはどういうものであるのかを、考古学の資料や伝世している作品を通じて紹介し、その生産や流通をたどってみたい。

宮崎 光二 先生(福井大学教育地域科学部・美術教育・教授)

演題
「未生の工芸」

講演要旨:
長い歴史のなかで培われてきたもの作りの世界に、”工芸”という言葉が現れてきたのはそう遠い昔のことではない。それは高々150年という時間の経過として考えることができるが、しかし”工芸”の世界がそれとして明確に定義づけられているようには思われない。それは今、”工芸”という名をもって世上に氾濫している様々な作品の、その納まりの悪さにはっきりと示されている。”工芸”は未だ生まれていないというのが、本講演の趣旨であり、また”工芸”ということを考える前提である。