過去のまちなかセミナー2016年度

※このセミナーは終了しています

2003年度より、北陸地区の国立大学が連携して、富山・石川・福井の各県にて「まちなかセミナー」を実施しています。各県の会場にて、他県所在の国立大学教員を招聘し、幅広く多彩な学術内容の普及につとめます。

2016年度まちなかセミナー富山会場では、

「北陸の古代を探訪する」

というテーマを予定しております。詳細については、PDF書類または下記講演内容をご覧下さい。まちなかセミナー富山会場は入場無料、事前申込不要でどなたでもご参加いただけます。参加ご希望の方はセミナー当日、直接会場の受付までお越しください。どうぞお気軽にご参加ください。

日時と場所

■日時:2016年10月16日(日)14:00~17:00
■場所:富山駅前 CiCビル5FいきいきKAN多目的ホール

講師と題目・概要

吉永 匡史 先生(金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系)

演題
「加賀・能登の古代豪族と地域社会」

講演要旨:
古代の地域社会については、地方豪族との関係抜きに語ることはできません。現在の石川県域にあたる加賀・能登地域は、大陸の高句麗や渤海との通交の窓口として知られていますが、関係史料には加賀地域の豪族が重要な登場人物として現れます。また、古墳や古代寺院跡などの遺跡からは、文献史料にはみえない、両地域の古代豪族と地域社会のあり方をうかがうことができます。本発表では、文献史学と考古学の双方の成果を生かしつつ考えてみたいと思います。

門井 直哉 先生(福井大学教育学部社会系教育講座)

演題
「北陸道諸国の成り立ち」

講演要旨:
古代から近代に至るまで広く定着していた我が国の地理区分に畿内七道があります。北陸道は七道の一つであり、若狭・越前・加賀・能登・越中・越後・佐渡の7ヶ国で構成されていました。もっともこれらの国々はあるとき一斉に成立したものではなく、また国境にもしばしば変動がありました。本発表では北陸道7ヶ国の領域が確立されていく過程とその背景について探ってみたいと思います。

鈴木 景二 先生(富山大学人文学部人文学科)

演題
「神済と親不知」

講演要旨:
北陸地方というと、現代では福井県から富山県までを指します。しかし、古代の北陸道は越後国から佐渡にまで達していました。この違いは、親不知という大境界地帯の存在に起因しています。難所通行の伝説が語られるこの地域は、古代においてももちろん難所であったはずです。そこで、史料からその様相を探るとともに、「親不知」という地名の成立時期や由来についても考え、さらに現地の様子もご紹介したいと思います。